​指導方針

【「武道」と「習いごと」】

 養浩館道場が目指す剣道場は、道場生やそこに通わせる親が「うちの剣道場」として、自分の子どもだけでなく、道場の子どもたちみんなを、道場に関わる大人たちみんなで見守り、育てていく、そんな剣道場です。そこが「習いごと」と大きく異なる点です。我が子を立派に育てたければ、他の親と協力して、よい土を作り、水を引き、全ての苗が害虫や病気に負けない強い苗に育つような田んぼを汗をかきかき作ることです。親も一緒に道場をよくしていこう、そして道場の全ての子どもたちを共に育てていこう、そんな気持ちを持った人たちが集まる剣道場であって欲しいと思っています。

 

【子どもが本気でやる気になるために】

「少年剣道を通じて子供たちの「生きる力」を育てる」養浩館道場の目標です。「生きる力」を育むためには、少年期に自分に満足できる経験をどれだけ積めたかが重要だと考えています。それにより自信が持て、自分のことが好きになり、更に自ら進んで努力出来るようになってプラスの順回転が起こり始めます。剣道場であれば、キツイなあと感じる稽古を日々乗り越えていくことで、その順回転は起こり始めます。試合で結果が出れば、更にその順回転がしっかりと力強いものになっていきます。私が、子どもであっても、楽しいだけの稽古ではなく、一定の厳しい稽古が必要だと考える理由がそこにあります。反対に、少年期に自分にガッカリする経験を多く積んでしまうと、自分を信じられなくなり、頑張ること自体が無意味に思えるようになります。子どもは自分の頑張りを客観的に評価することが出来ません。大人から見れば「その程度じゃ無理だろう」と分かっても、子どもは「頑張っているのに上達しない、自分はダメなんだ」と考えます。子どもが「自分なりのペースで頑張る」ことで自分の殻を破るのは難しいです。本気で頑張るということは、それまでの自分のペースややり方を大きく変えてでも、目標達成に必要なレベルと今の自分との差を埋める努力をするということです。そんな経験を積んだ子と、積んでいない子とでは、将来の成長力が全く違ってきます。こうして「しんどいけれども頑張る楽しさ」を実感する体験を積んだ子は、自分が本当にやりたいことに対しては、誰に言われずとも本気で取り組みます。そして、子どもにとってもう一つ大事な存在が仲間です。一人では到底ムリと思えることでも、みんなと一緒だと出来てしまう、子どもにはそういうところがあります。そうしている間に、いつしか「頑張りグセ」が付いて、勉強でも何でも自分から一生懸命取り組むようになります。少年期にそんな経験をした子は、その後の成長過程で放っておいても自分から頑張るようになります。実は、いま養浩館に来ている子たちも、多くの子が始めのうち毎日べそをかきながら通ってきていました。そんな子たちも、1か月もすれば元気に稽古に来るようになります。そして、半年もすれば顔つきが変わってきます。どんな厳しい稽古もけろりとこなすようになり、本当にたくましくなります。

 

【子どもを伸ばす方法】
 よく、子どもは褒めて伸ばすべきと言われますが、モチベーションを上げるために褒めるというのは、子どもにとって良いことだと思いません。子どもは褒められるとその時は満足しますが、いつしか褒められるために頑張るようになります。周囲からの評価よりも、大切なのは自分にとって本当に大切なことや、本当にやりたいことです。私が心掛けていることは、普段の稽古における場の空気を真剣でポジティブなものにすることで、その空気感の中で子どもたちは真剣に稽古に取り組んでくれます。経験の浅い子は、上手な子のペースに必死についていく間に自然と出来るようになっていきます。妥協なく自分の課題を認識させ、何度も何度も繰り返し稽古する、そうしてやっと出来た時の喜びはまたひとしおです。その時は、褒めるというよりも、私も一緒に喜びを共有します。その喜びがまた子どもをやる気にさせてくれます。

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