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養浩館道場
~「道場開き謝辞(H28.9.28)」より抜粋~
5年前、22年間務めた住友信託銀行を退職しました。
仕事をつまらないと思ったことはありません。
プライドを持って、しっかりと質の高い仕事をしてきたとの自負もありました。
でも、40歳を過ぎた頃から
「どう生きる?」「自分の人生何に使う?」そう自分に問いかける日々の中に
「自分を作ってくれた『剣道の持つ力』、その可能性をとことん追求してみたい」と考える自分がいました。
今の子たちは総じて素直でいい子ですが、
安定志向で心が折れやすいように思います。
剣道を通じて
「つらい道のりでも、その先にまだ見ぬ可能性を信じて頑張れる力」
「先が見えない不安はあっても、夢や目標に挑戦するべく一歩を踏み出す勇気」
を持った人間になって欲しい。
物分かりが良くて諦めの早い子よりも、
諦めの悪いガッツのある子を育てたい。
そう考え、道場を立ち上げました。
最初はゼロからのスタートでした。
家族総出で来る日も来る日もポスティングし、
学校帰りの小学生たちにチラシを手渡ししましたが、
何カ月経っても見学の子すら来ません。
せっかく見に来てくれても誰もいないと帰ってしまうからと、
半年もの間、週4日広い体育館で毎日毎日娘と二人だけで稽古しました。
その間、一言の文句も愚痴も言わずに
稽古に付き合ってくれた娘には本当に感謝しています。
その後道場生が増え、このたび自前の道場を建てました。
途中下車はもう許されません。
私たちはこれからも「強く、明るく、潔く、信念にあふれる心で」
一歩、そしてまた一歩、この道をひたむきに前進していきます。
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